★第2弾・応用編【コアファンの声を活用する】
顧客と直接つながる時代に、コアファンの声をマーケティング課題解決に生かす手法とは?
~商品企画から広告、広報PR、営業支援まで事例をご紹介~
アジェンダ
1.オープニング
2.「年間購買量」と「推奨意向」
3.商品タイプ別の傾向
4.推奨意向をあげるヒントと事例
5.導入に向けて
1.オープニング
SnapDishを初めて知った方向けに、サービスをご紹介しています。
本記事では割愛しますが、知りたい方は、こちら(YouTube該当箇所)からぜひご覧ください。
2.第1弾テーマ「推奨意向」と「購買量」について簡単におさらい
第1弾のセミナー記事、または、本アーカイブ動画の該当箇所からご覧ください。
3.ファンの声を活用する意味とは?
いよいよ本日のテーマ「ファンの声をマーケティング課題解決に活かす」の解説に入っていきます。
最初に、第1弾の内容に補足です。
先ほどご紹介した「NPS」というスコアを提唱しているベイン&カンパニーの書籍です。真ん中にグラフを見ていただくと、推奨者・中立者・批判者ごとの顧客一人当たり価値を表していますが、大きくこの4つの価値があるということが書かれいます。
「ベース収益」は、どれくらいその商品を買ってくれるのか。「顧客内シェア」は、他の商品までどれくらい買ってくれるのか。「取引継続」は、継続的にどれくらい買ってくれるのか。「口コミ・声」は、有益なクチコミや声を出してくれるのかどうか。この4つの価値を基準に考えられています。
そして、よく見ていただくと「クチコミ・声」の占める割合がすごく大きいんですね。実際に計算する時に、クチコミによって紹介されたお客様が買ったかどうかは、このグラフには入っておらず、声そのものの価値が比較的大きく見積もられているということがわかります。
今日はこの「推奨者」、すごくファンになってくれた方の、買う量だけではなくこの「クチコミ・声」の部分を深堀していきます。
「ファンの声を活用する」方法について、スナップディッシュでは、「広告・プロモーション」「広報・PR」「商品企画開発・リサーチ」「営業支援・流通対策」という、大きく4つの領域を定め、ただ「ファンを育てましょう」というだけではなく、その声を目の前の課題解決に活用するご提案をしています。
最初に「ファンの声」がどういうものかをイメージしていただいて、この後のお話のイメージにつなげていただければと思います。
まずイメージしていただきやすいよう、映像をご紹介します。
以前マルコメさんの糀甘酒を使ったイベントにユーザーさんをお招きした時の声をまとめた映像です。実際にユーザさんをイベントに招いて、その時のユーザさんの表情と声だけで構成しています。
>>動画を見る
「糀甘酒としょうゆで煮ると、それ以外の調味料は何もなしで、美味しい煮物が完成する」ということを体験していただきました。ユーザーさんのリアルな表情と声を基に構成されているので、非常に伝わりやすいです。
「罪悪感ないよね」とか、「簡単すぎて怖い」とか、本当のリアルな表情、これは本当に仕込みでも何でもないユーザーさんですので、正真正銘の「リアルな声」「クチコミ・声」の活用方法ひとつにこういう形があります。
>>動画を見る
それからもう1点、以前セミナーでご紹介したハウス食品さんと一緒に作った「味付カレーパウダー」という商品を使った人たちの声の映像です。
ユーザーさんの作った料理の写真と、ユーザーさんのコメントをもとに、こう使ったら美味しいよ、良かったよ、という声をユーザー投稿の写真とコメントだけで構成した映像です。
もちろん、フードコーディネーターさんを入れて、カメラマンさんが撮った写真もいいんですが、りアルなユーザーさんの食卓の写真や声であることで伝わりやすくなります。
要素としては、例えば、本当に好きな人でなければこのリアルさは出てこないですし、伝わりません。
なので、まずは商品を好きになってもらって、その上で表情や声、ビジュアル、コメントが抽出できるようになると、「ファンの声」として活用しやすくなります。
最初のポイントは、本当にその商品を好きになった人の声を抽出することから始めるということです。
その声の持つ意味について。昔からある図ですが、マーケティング、広告、PR、ブランドの関係を図にしたものです。
まず、「マーケティング」は、男性と女性がいて男性が「俺って素敵な男なんだよね」と自己プレゼンするようなもの、それに対して、広告は(少し揶揄的に書いてありますが)「俺って素敵」というメッセージを繰り返して伝えて作り込むもの。そして、PRやソーシャルなどの「第三者の声」は、他の人に「彼って素敵よね」と言ってもらうもの、そして伝えたかった相手の心の中で「あなた素敵よね」と思ってもらうのがブランド資産になるという関係の図です。
この図で「推奨者の声」は、右上の「彼って素敵よね」という熱烈な声を作ることがその意味合いになっています。
この図はけっこう昔からある図なんですが、近年これはさらに重要度が変わってきています。
左側は、人口が増えて物が足りない時代には、物や商品の価値はそのものの機能としての価値、例えば食品であれば美味しいとか、食べられるという、シンプルな価値が価値と見なされていた時代がありました。
これが、スマートフォン、SNSが普及したり、情報化社会が進んだことによって、商品をどう体験したか他の人から見えるようになってきました。そうすると、それが「共感」を生むということが置きています。商品の良い体験をして、良い声を作ってもらって、それが共感を生むかどうかで、商品の価値全体が全然変わってくるというのが現在です。
具体的に、好きという人の「声」の持つ意味としては、第三者の声として伝わる、そして、それが今は商品そのものの価値を大きくすることにつながってる、という点を覚えておいてください。
いくつかパターンありますので、具体的なケースで見ていきたいと思います。
大きく4領域、「広告プロモーション」では味の素さん、「商品企画開発・リサーチ」ではヤマサ醤油さん、「広報・PR」ではマルコメさん、「営業支援・流通対策」では小平キノコ研究所さんの事例をご紹介していきます。
マルコメさん、ヤマサ醤油さんは継続的なファンづくりも並行しているので、次回発展編セミナーで主にご紹介します。今回は、味の素さんと小平キノコ研究所さんの事例を掘り下げていきます。
4.生活者の声を活用するヒントと事例
まず全体像を把握するという意味でそれぞれをご紹介して行きましょう。
ヤマサ醤油さんのケースで、ファン作りと「商品企画開発・リサーチ」をセットでおこなった事例です。
2020年発売の「これ!うま!!つゆ」という商品で、社内の意思決定・推進にファンの声を活用している事例になります。
「これ!うま!!つゆ」というのは、もともと、「めんつゆ」という超売れ筋カテゴリに食い込むような新商品の開発ができないかというお題から出発した商品です。
ヤマサ醤油さんのファンであるスナップディッシュユーザーの方々に、何回かに分けていろんな方に座談会に参加してもらいました。座談会で得られた声から仮説を検証して、発売が決まったらファンの皆さんにお披露目して、ファンの声を使ってスタートダッシュをして、商品がヒットしたというケースになります。
マーケティング部部長の藤村さんと、商品開発担当の松倉さんにご登壇いただいたセミナーでより詳しくご説明しています。
>>セミナー内容はこちら
ポイントとしては、最初は新商品の発売自体決まっていなかったんですが、ユーザーさんとの座談会を通じて、めんつゆに実はまだ課題があるということが特定できて、これを解決すれば大きくなるかもしれないという経営層の判断材料になリ、さらに広告宣伝担当も「これなら宣伝をもっと出した方がよさそう」ということで社内を巻き込んでいく力として一番の材料になったという3点だとお聞きしています。
それから、広報PRに展開していく事例としては、マルコメさんのケースをご紹介します。
第1弾のセミナーでご紹介した、ブルドックソースさんとマルコメさんの事例では、好きになってもらうだけではなく、その声を広報・PRに活用する方法をご紹介しましたので、ご覧いただければと思います。
商品企画開発に使うパターン、広報PRに使うパターンは、アーカイブを交えて簡単にご紹介しましたが、より深掘りするケースとして、営業支援・流通対策とファン作りをセットでスタートする事例として、大平きのこ研究所の事例をご紹介します。
テーマとして、新たな生鮮製品の市場導入、営業活動へ二次利用の事例をご紹介します。
きのこ市場は、ずっと拡大してたのがやや横ばいになってきて、雪国まいたけさんとホクトさんの大手2社の競争が激化する環境の中で、大平きのこ研究所さんは2015年に新たに参入。天然舞茸のうち最高ランクに位置づけられる「黒舞茸」の大量生産に成功して、21年9月から一般向けに発売して棚確保が少しずつ進んでいくも、生活者への認知度向上など合わせてやっていくことが課題という状況でした。
スナップティッシュを使う場合によくあるスキームなのですが、モニターで一定数のユーザーさんに使ってもらい、その声を集めて、例えばメニューリーフレット、Webサイト等で活用していく流れになります。
この施策では、モニター100名に対して、投稿したら何か当たるといったインセンティブは一切なしで、自発的な行動だけで数百投稿。それが「美味しそうだね」とシェアされて何百万の延べリーチというサイズ感になりました。
自発的にこういう行動が生まれるというのが、1つ目の特徴です。自発的な行動でないと「ファンの声」としては使いづらく、例えば「ポイントが当たるから投稿しました」だと、内容に説得力がなくなってしまいます。まずは、自発的に「美味しいね」っていう声を引き出すというのが重要です。
その中で、声を分類してみると、例えばユーザーさんの投稿から、ソテー・グリル・ホイル焼きといった投稿が多くありました。舞茸製品そのものが美味しいので、この最大限に表現する調理としてユーザーの声がはっきりと多く出ていました。
この「黒舞茸」自体が香りが良かったとか、食感がコリコリして美味しいとか、そういった特徴があるんですが、実際実感したことをユーザーさん同士でコミュニケーションしているのが印象的です。本当に「舞茸のひらひらの部分が大きくて白い軸の部分もコリコリしてて食べ応えがある」とか、リアルな声や美味しそうな食卓が投稿で可視化されています。
また、パスタではユーザーさんの食卓によくのぼるメニューでも、「こうやって食べたらすごい美味しかった!」というリアルな声が出てきました。
これ実際のレポートでは、パスタだけじゃなく5~6パターンでレポートしていて、「いい声がたくさん集まったからすべてお伝えしたいのに…!」と担当者も厳選するのにだいぶ苦労していました(笑)
モニターでもらった方がすごくいいコメントや写真を投稿していると、まわりのユーザーさん達もすごく気になって買いに行ったり、「実際に買って食べてみて本当に美味しかった」というコメントが出てきたり、共感がきれいに広がった事例になります。「私も探すぞ」とか「買ってみたい」とか「どこどこのスーパーに売ってたよ」とか、かなり強くコメントが出ました。
先ほどご紹介したスキームで声を活用していく部分では、施策で得られたコンテンツで商談資料を制作しました。
実際に先ほどのような投稿や用途を出すとともに、ユーザーさんにアンケートを実施して、購入意向の高さや味への評価を定量的に表現してます。その説得材料として声を並べるという形で、定量と定性の両データで商談をサポートしています。
さらに、先ほど商品の価値が物自体の価値だけじゃなく、「体験の価値」になってきたとお伝えしたことと重なりますが、ウェブサイトも製品そのものの良さを伝えるページももちろんありますが、例えば、ユーザーさんの声そのもの「特別な味付けをしなくても絶品なお料理に変身しました」とか、アンケート結果や、美味しかった食べ方などが、全部コンテンツとして掲載されています。
さらに、二次利用という形でレシピリーフレットも制作しています。その中でも、面白いとご感想をいただいたのが「丸ごと黒舞茸の贅沢鍋」。
舞茸って普通ばらして使うと思いますが、それを丸ごと使うという贅沢な使い方が美味しかった、というユーザーの声があったので、これを売り場へのメニュー提案としてお使いいただいています。
大平きのこ研究所の代表取締役社長、小平洋一さんからのコメントをいただいています。
この製品の購買層となり得る料理感度高いユーザーの試食体験づくりや、コンテンツの拡充のために実施しました。実際に営業の後押しに有効に活用できており、配荷を広げることができていますと、はっきりいただいます。最近も商談が決まったとか、ユーザーさんの投稿を見て「ここにも使えないか」と流通さんから相談されたというお話をいただいたり、かなり好評ですね。
新たな流通提案の切り口の発見や、1回の企画でここまで全部、一気通貫して実施できたことが良かったです、とご評価いただけた事例です。
基本的なスキームの事例ですが、ユーザーの声をレシピリーフレットに使うなど、やり尽くしてると思いますが、ポイントは好きになってもらえるファン、本当に好きな人を育てて、その声を使うことで、やり尽くされた施策でもより説得力があるものになるという点がポイントになります。
この事例のポイントです。
ファンづくりとともに、これらを一気通貫で実施して、さらに、好きと言ってる人たちがこんなにいるという定量データと合わせて、ファンの定性的な声によって、取引先の意思決定を後押しするところが、営業支援や流通対策の事例のポイントになります。
事例の4つ目として、味の素さんの事例。広告プロモーションのファン作りをリンクした事例です。
生活者から生活者に伝わるCtoCの手法で、消費の落ち込むシーズンに新しい食習慣を導入した施策をご紹介します。
まず背景から。対象商品は「ほんだし®」で、和風だしの素の領域でトップシェアの商品です。
「ほんだし®」は、みそ汁がどれくらい食べられるかによって売上が変動する商品。ただ、長期的にはカテゴリ全体が少しずつ減っていて、特に夏場はみそ汁を飲む回数が減って、それに伴って売上も減ってしまう。夏場の消費増大を狙って、夏はみそ汁を冷やして飲んでみませんかという提案を世の中に伝えて、その実践率を上げていきたいという課題をお聞きしていました。
そこで、同じような領域で実績のあったスナップディッシュを20年、21年と連続でご実施いただきました。
全体像としては、いろんな施策の中で、地方でのローカルパブなどのPR系施策や、広告施策を含むそのほか施策がありますが、その軸として生活者から生活者に伝わるということを実現できる施策をスナップディッシュで実施いただいています。
今日は実際に味の素さんに差し上げたレポートの中から許諾をいただいたページを資料としていますので、実際どんな形で施策をやってるかの参考になればと思います。
まず与件として、目的は夏場にみそ汁を食べることの価値の伝達、そういう食べ方があること自体を知ってもらう、という2点。伝えたい価値としては、夏にみそ汁をとることのベネフィットを整理します。
この時は、最初にテーマの設定から始めました。
夏にみそ汁ということで、みそ汁全体テーマにして、どんなみそ汁でもいいから、とにかく夏にみそ汁を飲もうという形にする、もしくは「冷やす」という点にフォーカスを絞るのか、3案くらい検討した中から「夏みそ汁始めました」に決定しました。「冷やし中華始めました」からの連想ですね。
左の案だと、いろんなみそ汁が出てくる中で、冷やしたみそ汁も一部出てくる程度の想定、冷やすか冷やさないかを対決させる案だと五分五分くらい、「冷やしみそ汁を始めました」のパターンだと冷やしみそ汁にフォーカスが当たりやすいということで、その方向性で企画をスタートしました。
2年分の施策事例がありますが、まず1年目から。まず「夏みそ汁始めました」ということで、「今やってみよう」という気持ちを喚起するテーマを設定をしました。
スナップディッシュの中で、「ほんだし」で「夏みそ汁」を作ってくれる方300名を選んで、「夏みそ汁」のメリットを事前に記事で伝えた上で、投稿キャンペーンに参加してもらいました。さらに、投稿で出てきた「こんなふうに冷やしたら美味しかった」というユーザーの声をまとめ記事にして、Twitterで広げていくコメントキャンペーンも組み合わせて実施しています。
施策成果としては、「冷やしみそ汁」にどんな価値があるかを伝える記事を見た上で投稿した方の実践率が大きく上がったり、
「夏みそ汁」というお題に対してユーザーさんそれぞれのみそ汁事情みたいなものが会話で解像度高く見えるという結果になりました。冷やしたみそ汁と温かいみそ汁、両方ともが出てきました。その中で「台所仕事、夏はつらいよ」とか「夏に熱々なのはちょっとね…」という声も出てきたので、「冷やし」が夏場のみそ汁の調理頻度の底上げするポイントになったのではないかと結論付けています。
例えば、「旦那は温かいままで、私は買い物から帰って暑かったから冷やしで、夏野菜と味噌汁」とか、「キッチンで火を使うと暑いから、冷やしみそ汁ぴったり」というような投稿が出てきています。
スナップディッシュの中で出てきた声をまとめた記事に対して、Twitterで「どれを作ってみたいですか」というお題でコメントを募る企画を実施しました。
1年目は、こんな内容で施策実施し、成果が一定程度あったということで、2年目も続けていただきました。
1年前の夏に実践しただけでは「冷やしみそ汁」のベネフィットを忘れがちなので、より深い理解浸透と2年目の定着を目指して「ほんだし®」の投稿企画を実施しました。さらに、2年目は少し形を変えて、その中でコミュニケーションを引っ張ってくれるアンバサダーを立てて実施しました。
スナップディッシュでの投稿とInstagramでの投稿、2つを軸に投稿企画を実施しています。
アンバサダーに就任いただいた方々からも、「冷やしみそ汁」という料理を軸にリアルな声を届けていただきました。
結果それがどう伝わったか。
1年目は「やってみた」という声が多かったのですが、2年目は「夏のみそ汁、いいですよね」と、トライアルから愛好者に変わっていったというのが2年目の成果のひとつになりました。
アンバサダーを起用して牽引役として投稿してもらったことの効果ですが、企画参加者の中で「アンバサダーの投稿を見た」が86%、「大変参考になった」が37%、「参考になった」が44%という結果が出ています。
1年目の施策で「ほんだし®」を好きになった方々の中から、推奨者、アンバサダーを起用し、その声を使うことでまわりに「非常に参考になった」と体験が波及していき、実践率に寄与したと評価しています。
NPSのスコアでは、前年比プラス12ポイントで大きく上がっており、2年継続したことで、より「夏に冷やしてみそ汁を飲む」という食体験が伝わって、実践率が推奨意向が上がっているということが見て取れる結果になりました。
これを踏まえ、味の素様からもコメントいただいいます。
2年目となる施策では、前年を上回るKPI(投稿数やコメントなどのアクション系のKPI)に加え、「冷やしみそ汁」の食べ方の広がりや、コメント内容から食卓定着につながっていることが感じられた。コミュニケーションの設計としても、前年度の「#夏みそ汁」を活用して複数年重ねたことでより盛り上がったんじゃないかと見ている。着実に受け入れられてるという実感があって、継続していくことでさらなる定着に取り組んでいきたいといただいています。
よく車輪に例えるのですが、推奨者の声を作って、まわりを共感してもらって、共感した人の中から推奨者が育って、さらに広げていく、という冒頭にご紹介した「生活者から生活者に伝わるCtoCの伝達」作りを、大きな枠組みの軸としてスナップディッシュで取り組んでいただいている事例です。
ポイントとしては、生活者から生活者に伝わる共感を作ることで、実践率や推奨度の向上につながった。推奨者の声がやはり人を動かす力が高かったと評価いただいています。
手法として、Twitterへの展開や、2年目はInstagramでの投稿もあり、また、1年目にファンになった方から推奨者、アンバサダーを起用して、その声をコミュニケーションの中に混ぜていく手法を使って、複数年で継続的に推奨者の声を広げることで、実践率や推奨意向を積み重ねているという事例になります。
では、本日のまとめです。
まずファンの声を活用するという点。メーカー様の中でおこなっているさまざまな企業活動、広告プロモーションや広報・PR、商品企画・開発、営業、このそれぞれにファンの声を活かすことができます。活かせると、ファンを育てることが他の部署や機能と連携して、より評価しやすい取り組みになっていくということを、いろんなメーカー様と施策をご一緒して実感をしています。
逆に、マーケティングの課題解決とリンクせず、ファン育成だけをターゲットにすると、かなり確固たる志を持っていないと継続が難しかったりしますので、ここは企業様の事情によってどう進めていくのがいいのか変わってくる部分かと思います。
特に背景として、味の素さんの事例でCtoCという言葉が出ましたが、ファンになってくれた方々の声をCtoCで伝えて広げていくことを、さまざまな施策と組み合わせるのが重要なポイントになります。
ポイントとして、第1弾でお伝えした「ファンの価値」は、好きになってもらった人の声まで活用することでさらに高まっていくというのが1点目。
2点目、活用の領域としては大きく4つ。広告・プロモーション、広報・PR、商品開発・リサーチ、それから営業支援・流通対策。この4つが価値領域になります。
ファンの声、推奨者の声は、人に共感してもらって動いてもらう力が高い、という点に尽きるかと思いますので、例えば、ヤマサ醤油さんは新商品発売に向けて社内を動かすこと、味の素さんの広告プロモーションでは市場にいる他の生活者の方々を動かすこと、大平キノコ研究所さんは流通さんを動かすことに活用しています。
さまざまな領域で「人に動いてもらう」ための声として使うことで、「推奨者の声」をより資産価値高く活用するケースが増えています。
「自社でも今日ご紹介したようなことができますか?」という疑問にお応えするメンバーして、セールス担当メンバー、奈良と堀部の2名がおります。
個別に状況をお聞きして、課題に沿った施策をプランニング、ご提案しますので、ぜひお気軽にご相談いただければ幸いです。
本日は、「食品飲料のための食卓マーケティング」応用編ということで、顧客と直接つながる時代に、コアファンの声をマーケティング課題解決に生かす手法を中心に、すでに実践されているメーカーさんの事例と合わせてご紹介してきました。
次回のテーマは発展編ということで、何年も継続してファン作りやファン育成に取り組んで事業成長を目指している事例を深堀りしてご紹介します。
第1弾・基礎編【コアファンと購買の相関を知る】
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