スナップディッシュでは2021年11月12月に、コロナ禍の影響が色濃く激動だった2021年の変化を振り返り、2022年に変化に対応していくヒントをご紹介するセミナーを行いました。アーカイブ動画(30分)を見る時間が取れない方も、サマリの記事をご覧ください!
【もくじ】
・【前半】withコロナの食卓投稿に見る、食品メーカーが押さえておくべき「 3 つの変化」とは?
・【後半】メーカー事例に見る、課題解決のヒントと事例
▼アーカイブ動画(30分)はこちら!
https://youtu.be/bTxD5wkr7no
【前半】withコロナの食卓投稿に見る、食品メーカーが押さえておくべき「 3 つの変化」とは?

今年を振り返るに当たり、ユーザー食卓投稿やアンケートからいくつかのポイントが見えたので、食品メーカーが押さえておくべき「3つの変化」ということでご紹介できればと思います。
SnapDishではユーザーを対象に食に関する定期調査をおこなっているのですが、その中から今回は、今後コロナが落ち着いた後の行動変化についてのデータをご紹介していきます。
こちらは、コロナウイルスの集団免疫獲得後、すなわち、アフターコロナに、あなたの行動はどのように変化しそうかの意向を聞いたアンケート結果です。
(※グラフを含むセミナー資料は、ページ下部のフォームよりダウンロードいただけます。)

左に記載の食事・家庭での料理・買い物などの行動について、コロナ前より「減る」、同じくらいに「戻る」、コロナ前より「増える」、の回答を取得しました。これだと分かりづらいので、「増える」から「減る」の割合を引いた差をポイント化してみます。

そうすると、大きく3つのポイントが浮かび上がってきました。
1つ目は、「試食減」。
この中で圧倒的に「減る」が多い「スーパー等で試食する回数」。「減る」の回答が圧倒的に多く、増減以降の差が-34.7ptと大幅減となりました。
2つ目は、「情報取得増」。
私達もあまり想定していなかったんですが、「料理に関する情報を得る回数」は「増える」という回答が多かったです。
3つ目は、「家族・栄養・手料理増」。
コロナ禍を受けて予測が立っていたことではありますが、家族や栄養を意識した料理や手料理は、コロナ前よりも「増える」が多かったです。
この3点について今日は、ユーザー投稿を交えながら、生活者の「変化」の実像をお伝えしていきます。
「 3 つの変化」その1:「試食減」→ 衛生観念変化

1つ目の変化は、言わずもがなではありますが、コロナ禍で衛生観念は大きく変化ました。直近の状況として、新規感染者数が落ち着いてきた2021年10~11月のユーザー投稿を見てみましょう。
もうビクビクしている感じはありませんが、「感染対策、今までと同じようにやらなきゃね!」とか、「消毒を置いてない小売店もあるから、マイアルコールを持ち歩かないとね」とか、「うがい、手洗い、消毒は油断しないでやり続けます」など、警戒している層は一定層残っています。
こういった意識が大幅な「試食減」に表れているのだと思います。コロナ禍が落ち着くにつれて、「そろそろ試食してもいいかな?」という人が増えると思っていたのですが、こちらのグラフをご覧ください。

同じ店頭での試食意向のデータを時系列に並べてみると、青で示している「減る」回答層が、202年11月に25%だったのが、2021年6月には33%になり、2021年11月は38%に迫る勢いに。(コロナ禍が落ち着いてきた2021年11月時点)
60%は「同じくらいに戻る」と回答しており、大多数はあまり気にしていないことが伺えますが、「減る」と回答した約40%については、メーカーさんの施策にも影響してくることが想定されます。
流通でも、試食再開と引き続き中止と、対応が分かれていますが、ユーザー行動を見ても同じ状況であることがわかります。
「 3 つの変化」その2:「情報取得増」→ 接点多様化
2つ目の変化として、情報を得る回数が「増える」という意向から、それに伴って接点が多様化していることをご紹介します。関連するデータを挙げてみましょう。

こちらは、料理の参考にする情報について、コロナ前と比較して増えたか減ったかを聞いたデータになります。左のオレンジが「増えた」、右側のブルーが「減った」の割合を示しているのですが、オレンジが多いのがパッと見てわかるように全体的に「増えた」の方が多くなっています。
特に、「増えた」が多かったのはネット系の情報源。SNSやレシピサービスを中心に、どれも30%~40%が「増えた」と回答しているので、単に情報の取得頻度が増えただけではなく、同じ人がさまざな情報源から取得していると考えられるかと思います。

実際のユーザー投稿も見てみましょう。
左の投稿は今年トレンドだった「ダージーパイ」ですが、投稿を見た他の人からのコメントでは、「知らなかったからググっちゃいました」「私、初耳!」など、1人の方がテレビで接触した情報が、SNSで波及して広がっていったり。
右の投稿はチキンカツにブルーチーズを挟んだ「コルドンブルー」という料理らしいんですが(私は初耳でした・・)、別の方から「初めて知りました!」とコメントが来たところに「テレビでこう紹介されてましたよ」とやりとりが交わされています。
テレビで見て、SNSで実感の裏付けを得るとか、逆にSNSで初めて知ったことをテレビで見ると「やっぱり流行ってるんだ」とか、いろんなメディアで情報接触することで行動が変わっていくという「接点多様化」に関しては、今後も変わらないだろうと予測できます。
「 3 つの変化」その3:「家族・栄養・手料理増」→ 付加価値変化
3つ目の変化は、意識される価値の変化。コロナ禍では、生活スタイルや人との関わりの変化の中で、いろいろな価値が見直されたかと思います。中でも、すごく感じたのは「家族への思い」という点。

例えば、左下の投稿では、「遠距離の実家に帰れる日を想像して・・・」と実家で食べたお弁当を再現してみた、とか。
右上の投稿では、「コロナ禍で2年も里帰りしてないからと実家の母が柿を送ってくれた」など。
コロナ禍でなければ、そこまで意識することのないような「家族への思い」というのも意識化されることが多くなったと思います。
右下の投稿は、「子どもの大学生活がリモートで半分終わろうとしている、コロナ禍での大学生活の変貌に驚きます」というように、変化を通じて家族のことがより強く意識化されるということが挙げられると思います。

そしてもうひとつ、強く意識されるようになったのが「栄養・健康・免疫」という付加価値。
例えば、SnapDishで「免疫」について会話されている投稿数は、2019年と比べると、2020年が4.9倍、2021年が2.9倍と高止まりしており、栄養・健康・免疫への意識は高い状態をキープしているかと思います。
左下の投稿では、「栄養をつけた朝ごはんでコロナに負けないように」とか、
真ん中の投稿は「厚揚げ広め隊」というのを勝手に結成して冗談を言い合う中でも「免疫力が上がるかもよ」と意識化されていたり、
右の投稿では、SnapDishでの施策も絡んだ投稿ではありますが、もともと冬場の健康管理に甘酒を大量に使っていた方が、コロナ禍では1年中のことになったと。「免疫力を上げて夏場の暑さにもコロナにも負けない」など、会話でも顕在化しています。
このような形で、生活者の感じる食・料理の付加価値として、栄養、健康はかなり意識が高まっている状態かと思います。

また、コロナ禍で料理の機会が増えたために、料理のマンネリ化が大きな課題となりました。
別の調査データでは、マンネリ回避のために、「新しい食品や調味料にトライしてみることが増えた」という回答が約半数に上りました。長引く外出自粛生活の中で、新しいものを試す、マンネリを回避するという付加価値はよりいっそう増してきたのではないかと思います。
「家族への思い」「栄養・健康・免疫」のほか、留意すべきポイント

定点調査をおこなっている意向変化以外でも、アンケート回答から見えてきたポイントもご紹介します。
1つ目は、「簡便化」ニーズの顕在化傾向。
SnapDishユーザーは料理好きが多いのですが、それでも「作る回数がかなり増えて、料理好きでもしんどいこともあった」とか、
コロナ禍で仕事に影響があった方も多いと思うのですが「収入が減ったので、栄養も考慮した節約レシピを知りたい」とか、毎日の食事作りの中での実用的なニーズがより顕在化しているということ。
2つ目は、「料理の娯楽化」傾向。
先程のデータにもあったように、「在宅時間が増えて情報取得が増えると、調味料や食材との新たな出会いが増えて料理が多彩になった」など、生活行動が変わり、情報接触量が増して、料理を娯楽的に楽しむマインドが増したということ。
全体の傾向としては、この簡便化と娯楽化の二極化が起きています。その中で、健康、栄養、免疫といった付加価値が実感される機会が増えたという現状かと思います。
食品メーカーにとって、以前はそこまで意識されなかった価値が、まだ意識されやすい状態が続いているチャンスと言えるのではないでしょうか。
前半は、「3つの変化」(衛生観念変化・接点多様化・付加価値変化)についてお伝えしましたが、後半は、そういった変化にどう立ち向かっていけばよいか、課題解決のヒントと事例をご紹介します。
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