こんにちは! SnapDish運営のaveeです。
これまであまり事業面のお話しをアウトプットしてきていないので、きょうはSnapDishが前提としている考え方を、整理してみたいと思います。
スマホ以前、インターネットって、もっと前のめりな感じなものだった
数年前ではあるけれど、もはやきちんと思い出さないといけない、スマホ普及前のこと。
インターネットというのはこんな使い方が多かった。右側は、そのためのツールやサイト。
- 調べる ―Google、クチコミサイト
- 深く交流する -掲示板、専用SNS
「調べる」のも「交流する」ちょっと前のめりな感じ。
まぁそれはそうだと思う。パソコンの前に座っているときしか使えなかったんだから。
まず、人も、タイミングも、気持ちのありようも、限定される。高モチベーションでやること。
スマホで「ながら接触」増え、日常のなにげない「行動」を、ネットが補完できるようになった
スマホの普及でその制約が、目に見えてゆるくなり、「ながら接触」できる情報空間が激増した。※
姿勢としては、前のめりからニュートラルへ。(サルから直立二足歩行のヒトへみたいな)
電車でスマホでマンガ読む、布団の中で友達に「いいね」する、歩きながら「ハートマーク」をタップする。みんなやってるよね。
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そんなわけで、モニタの前ではできない、いろんな「行動」がネットの助けを得られるようになった。
- 「外食する」 /出先でグルメサービスで調べて店にはいる
- 「旅行する」 /旅行中に翻訳サービスで調べて会話する
- 「知らない街を歩く」 /Googleマップを見ながら歩く
- 「買い物する」 /店頭で価格比較サービスで調べる
- 「ゲームする」 /ソシャゲでフレンドを助ける
- 「写真撮影する」 /撮影してInstagram、Facebookに投稿する
中には、行為そのものがある程度置き換わってしまったものもある。
例えば「誰かとなんとなく電話する」とかは、LINE、Twitter、Facebookなどのおかげで、だいぶすることが減ってるんではないか。※
特に、すべての「行動」にうっすら「コミュニケーション」ってレイヤが(「写真を撮ってシェア」「自分の気持ちをつづってシェア」「外食したことをシェア」)かぶってきている。
僕らの仮説:「料理も変わるよね」
もちろん、料理も変わる。はず。
SnapDishでは、料理はこんなふうに変わってきている、と思っている。
非インターネット時代は、「料理を作る」ことは(たぶん)他の行動とは切り離されていた。「他の行動」とは、例えば「料理の訓練をする」とか「レシピをメモする」とか。これらは別の時間に(時には別の場所で)行われていたはず。
PCインターネットになって、レシピサイトのおかげで、「調べながら作る」ことができるようになった。これでたくさんの人が「料理を作れる」ようになったと思う。
では、スマホ普及後はどうだろう。
ひとつは「作った後」の変化。写真が投稿しやすくなり、ソーシャルメディアという手軽な共有先が生まれたことで、これまでは、作った後は食べて片づけるだけだったところ、「シェアする」人が大幅に増えた。これによって、自分や友達の「料理」をネタにしたコミュニケーションが広がるようになった。
下の図は、SnapDishを紹介する際によく参照しているデータだけれど、ここでも料理の投稿が増えている背景が見える。
もうひとつは「作る前」の変化。最近、各料理メディアから流れるネット上の「ニュース」の分量が一気に増えている。これは、ソーシャルメディアに流れることを意識したものであるはずだ。ソーシャルメディアの「フィード」は、メールボックスに届くメルマガ等よりも直観的に大量の情報を一望できる。ここに情報を流すことで、以前よりも料理をする直前に「なんとなく」「ひらめき」「思い出し」のきっかけになる情報を届けられるようになったんではないかな。
下記は、最近どんな情報が参考にされているかのデータ比較 (レシピサイトは数字が大きいので除外)。
いまどき、「家族友人知人からの情報」が大幅に伸びているのは、ソーシャルメディアの影響以外には考えにくい。
この、「料理」を作る前後の行動の変化は、僕らはいわば「料理」という概念自体の輪郭の変化と考えてる。
つまり、こういうこと。
おかげさまで、これは明確な支持を得ることができている。
これも、僕らがSnapDishを紹介するときに使っているスライドだけれども、「新しいアイディアを思いつく」「楽しくなる」という点では、レシピサイトと明確な違いが出ている。
この環境変化の大波をメーカーさんにも共に体験して楽しんで役に立ててもらえるよう、SnapDishのマーケティング支援事業を運営しております。
つらつらと書いてきたけれども、論点をおさらいすると。
- スマホ(とソーシャル)の普及が進んだことで、人間の行動は、一部スマホに補完されるようになった。
- 料理においては、作り方検索もそうだし、「(検索する前の)ひらめき」と「料理をネタにしたコミュニケーション」にも特徴があるようだ。
ってこと。
人間の行動がネットワーク接続端末に補完されてるなんて、ちょっとSFみたいでかっこいいよね。と思います。
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※博報堂DYMP メディア環境の「イマ」 メディア定点調査(東京)
http://www.media-kankyo.jp/wordpress/wp-content/uploads/teiten2014.pdf
※電話による通話時間の推移をグラフ化してみる(2014年)(最新)
http://www.garbagenews.net/archives/2016533.html