おかげさまでSnapDishの施策をご導入いただく企業様も増えてきました。でも、運営としては、もっともっとお客様のことを知りたい。そしてもっともっとお役に立てるご提案をしたい。日々そんなことを思っています。 そこで今回は、「マルコメ君」でお馴染み、お味噌のトップメーカーマルコメさんにインタビューしました。味噌では業界1位ながら、近年は発酵技術を活かした糀甘酒や、味噌の主原料である大豆のお肉、大豆粉といった新しいカテゴリにも積極的に進出しています。生活者とのコミュニケーション面でも、デジタル施策を新たに取り組んでみての実感、ユーザーに合わせた訴求の使い分け、SnapDishを導入した理由と成果などなど、お聞きしてきました!
マルコメ株式会社 マーケティング部 広報宣伝課 尾田さん
かんたんに言うと・・・
▼常に営業目線で販促提案→営業から「こういうのやっていいんだ!」とPOPが高評価
▼料理メディアを初めて3年目、媒体ごとに「最適化訴求」がある
▼SnapDishユーザーから「甘酒煮」が誕生、アイディアや効果を教えてくれ発信もしてくれる
▼今後はレシピ以外のファン作りも進めていきたい
「社員400名ちょっとの規模、部署が違っても1人1人の顔が見えているので伝えやすい」
ヴァズ 阿部(以下「阿」): 今日は、よろしくお願いします!まず、読み手の方に尾田さんが普段どんなお仕事をされてる方か、簡単に日頃の業務のご紹介をお願いします。
マルコメ 尾田さん(以下「尾」):Snapさん(注:マルコメの皆さんからはこう呼んでいただいてます)や動画メディアのレシピ関連以外だと、公式SNS、マルコメコミュニティの運営、お客さまと直接お話する、イベント出展、お客様へのフォローあたりが大きなところです。あとは広報業務としてメディアさんへの対応とか、メディアで発信したことを社内で伝えたりもしています
阿:コミュニケーション量、すごく多いですよね。オフィシャルなものとして出すのとか確認など大変そうですが・・・
尾:入社してこの仕事をずっとやってるんですが、パートナー会社さんからの協力があってこそ今の業務量が成り立っていると思いますね。マルコメは社員400名くらいの規模なので、私が広報でメディア発信したことやマルコメがメディア掲載されたことを発信するのに、百数十名の営業さんの顔1人1人が見えているというか、誰に話しているのかわかった上で話せているという点でいうと、そこはやりやすいのかなと思います。
阿:SnapDishではレシピ系をご一緒させていただいていますが、営業の方にお伝えいただいて反応ってありますか?
尾:そうですね、たとえばSnapさんだったら「登録している方の料理感度が非常に高くて店頭でも使えるような写真ばかりなので、店頭でPOPにしませんか」とか、企画実施が決まってるんだったら「店頭販促物にも入れてみませんか」という相談は、直接営業さんにしていたりします。
「こういうことやっていいんだ!」ユーザー投稿のPOPに、営業から驚きの声。
阿:営業さんて流通さんと企画を実現するのにいろいろハードルがあると思うんですけど、最近実現してよかった企画ってどんなのがありますか?SnapDishに限らずでいいんですが・・・
尾:Snapさんとの企画で、「オーガニックみそパウダー」を店頭に置いていただくために、SnapDishユーザーさんの投稿でレールPOPを作ってマルコメレシピに誘導した取り組みで、商品と一緒に陳列してもらえたのはひとつの成果だと思います。店舗のお客さんにもSnapDishにマルコメの料理コンテンツがあることをお伝えできたのは良かったですね。
阿:僕らはあれを店頭に出していただいて、流通の方や営業の方から何か反応があるのかな、どうなのかなーと思っていたんですが、実際どうでしたか?
尾:流通さんの声はなかなか私のところまで届かないんですが、営業からは「こういうのできるんだ」というか「こういうことやっていいんだ!」という発見になったと聞いたのと、買いに来たお客様がSnapさんのユーザー層と当てはまるかは店舗を選ぶ必要があるんですが、高級スーパーにアプローチする上で今後活用していければいいなと思います。
「こだわりは広告部署の自己満足にならないこと」社内で情報収集して、常に営業目線を。
阿:いくつか業務をされている中で、尾田さん個人としてこだわってることとか、大事にされていることはありますか?
尾:そうですね、メーカーとしては営業ありきだったりするんですけど、その中でどう営業さんが企画に落とし込めるか、スムーズに商談に持ち込んで結果を残せるかというところを常に意識しています。一方で私は営業経験がほぼないので、経験のある先輩に情報をいただいたり相談させてもらったり、これズレてるよって指摘をもらったりしながら、広報、広告周りの自己満足にならないように、ちゃんと売場や売上につながるような形で施策を進めていけたらいいのかなと思っています。
阿:なるほど、ちなみに営業経験のある先輩からは、どんなフィードバックが返ってくるんですか?
尾:私から聞くばかりでもなくって、「これを資料にしてほしい」とかもいただきますし、施策の完了報告だけじゃなくて、それを店頭に持っていくにはどう企画書に落とし込むか、相談しながら試行錯誤しています。Snapさんのような協力会社さんにいろんなデータを集めて資料にしていただいている部分も多いんですが、バイヤーさんは数字を重視される方も多いので、施策をどう見えやすい数字で示すかというところでは、まだわかりやすさに欠けるのかなという課題もあります。
「料理メディアによってユーザー層もさまざま、訴求内容も変えています」3年やって見えてきたこと。
阿:御社では料理系の施策として、レシピサイト、料理動画、SnapDishと大きく3つされていると思うんですが、それぞれの役割分担はどう捉えていますか?
尾:レシピサイトやレシピ動画は、どちらかというと料理初心者の方が多いので、できるだけ簡単に手間なくできることが重要だと思うんですけど、Snapさんは料理に興味があってすでに一定のスキルも持っていて、そこからさらに他の人のアイディアを楽しむとか、お料理をきれいに見せるとかに関心を持っている方が多いと思うので、ユーザーさんの料理投稿を活用して、料理を常日頃からしているし、レシピ検索もするけど、もっと料理を楽しみたいなという方向けの訴求をしていきたいと思っています。
阿:たしかにSnapDishの企画ページでもユーザー投稿を多用されていますもんね。そういった取り組みを始められて3年ほどだと思うんですが、SnapDishに限らず、施策全体の課題をどうお考えですか? 例えば糀甘酒だと、一般層含め料理に使われるようになってきた手応えってあると思うんですけど、ちゃんと伝わっている部分とまだ伝わりきっていない部分とか、伺ったり出来ますか?
尾:糀甘酒だと、マルコメとしては「そのまま飲む」だけじゃなくて、料理に使っていただきたい狙いも大きいんですけど、一方で、料理初心者の方だとハードルが高くて、糀甘酒を料理に使ったレシピへの反応がいまいち悪かったりします。なので、商品群だったり、活用法、見せ方の合う合わないは、この3年でだいぶわかってきました。ここはあまり小難しくしないほうがいい、とか、逆にちょっと手が込んでいても見栄えいい方が良いとかいうことも、自社内で解決できてきたかなと。
「SnapDishは使ってくれたユーザーさんが、新しいアイディアや効果の分析を、信頼できる情報として発信してくれる」
阿:SnapDishでの施策では、どういうことを意識されていますか?
尾:Snapさんでは、ユーザーさんから教えていただく機会の方が多いので、逆に「使い方を教えてください」っていう体でコミュニケーションとる方がいいんだなともわかってきました。メーカーから発信するとそれ以外が出て来にくくなるので、ユーザーさんから出してもらう方が新たな気付きもあって、それが販促やレシピのアイディアにもつながるので、情報源としてとてもありがたいと考えてます。
阿:ありがとうございます、ぼくらもそういうふうに使っていただけると、サービスの良さを発揮しやすいです。いろんな使い方が出てくると思うんですけど、その中で印象的だった使い方ってありますか?
尾:そうですね、最近だとやはり「甘酒煮」ですね。もともとユーザーさんの声がなかったら「糀甘酒で煮る」というアイディアにはつながらなかったですね。弊社からお伝えしていたのは、「糀甘酒を砂糖やみりんの代わりに使いましょう」とか「糀甘酒でお肉を漬けて照り焼きにしましょう」という訴求で、その一部として照り焼きや筑前煮レシピがあった感じなんですが、「糀甘酒で煮る」というレシピはなかったので、ユーザーさん発で、レシピではなく「調理法」というアイディアをいただけた良い例ですね。
阿:ユーザーさん見ているとパンやお菓子に糀甘酒を使うのはけっこう根強く使いつづけてもらえてる感じがしますよね。
尾:そうですね、パンやお菓子だと作るの自体がちょっと難しいじゃないですか、なので弊社内でもパンとか作り慣れてる社員がいればいいですが、社内にレシピ担当はいますけど料理を作る専門の担当もいない中で、SnapDishはユーザーさんにパン作りに慣れている方が本当に多くいらっしゃるので、効果的な使い方を逆に教えていただけてありがたいなとみんなで見ています。同じように、パンやスイーツを焼くのに糀甘酒を使うとなると、どういう効果があるかの検証もなかなか社内では難しんですが、ユーザーさん自身が分析してくださるというのはありがたいし、それをさらに発信していただけるというのが一番、拡散力もあり信頼できる情報だなって思います。弊社から発信すると逆に嘘っぽくなっちゃいますかね(笑)
糀甘酒の次は、いま世間の注目を集めている「大豆のお肉、一度は食べたことがある機会を増やしていきたい。
阿:糀甘酒は、マーケットの成長とともに御社の売上も伸びている商品だと思いますが、糀甘酒以外の商品、例えば、「大豆のお肉」とかはマーケット受け入れ期の商品ですよね。糀甘酒と同じくらい受け入れられていくには、例えばこの先どういう道筋をたどっていくと広がりそうとかイメージできていることはありますか?
尾:大豆ミートは、欧米で受け入れられている視点と日本の視点ってまったく違うじゃないですか。もともと日本人にはビーガンという概念はないので、それを押し付けるのもちょっと違うと思いますし、「欧米で流行ってますよ」というだけでは生活に取り入れようとまでは思わないですよね、「だって肉食べればいいから」ってなる。
阿:健康ブームとは言え、魚や大豆製品より肉をみんな食べますもんね。人口減社会の日本では「世界の食糧危機を救う新技術」と言われてもピンと来ないですし・・・
尾:なので、日本の方々に合わせた訴求と言うか、「ギルトフリーの視点で『大豆のお肉』っていう選択肢もアリじゃないですか?」という提案だったり、「一度は食べたことがある」という機会を作れるように、「大豆のお肉」自体に触れていただく機会をどんどん増やしていかないとと思ってます。外食への導入を増やしたり、弊社からも情報発信したりはもちろんですが、見かける店舗やスーパーで手にとれるような場所をもっともっと増やすとか、広報・広告分野以外での努力も必要かなと思いますね。
「これからはファン作りのアイディアをご一緒したい」SnapDishユーザーが自社コミュニティに参加して起こった変化。
阿:SnapDishでは2016年から基本的にはユーザーに使ってみてもらうという施策を続けていただいて、受け入れられるプロセスとか、新しい食べ方の開発とかの施策をご一緒させていただいてると思うんですが、この先もっとこんなことしたいとかありますか?
尾:広報の立ち位置として、どうファンを増やしていくかというところですね。例えば、自社コミュニティのイベントとか最近はご相談させていただいてます。料理感度の高い方にマルコメのファンになってもらえる可能性を探るというか。今やっているレシピ分野以外での新しい可能性というか、施策のヒントになる部分を今後はもっと会話できたらいいのかなと思います。
阿:ありがとうございます。そのコミュニティイベントのお話をいただいたのは、きっかけがあったと聞いているんですけど、、、
尾:そうなんです、Snapさんの施策で糀甘酒を使って気に入ってくれたユーザーさんが、マルコメコミュニティに登録してくださって、その中でもかなり発信してくれていて。その方の投稿がとてもステキなのでコミュニティ内のメンバーさんの意識も変わってくるんじゃないかなと感じてます。もっとこういう会員さん増えてくれるといいなというのがあって、今回のご相談でした。
阿:たしかにSnapDishユーザーの写真が一般の方と違うのは、普段から撮り慣れてるとか、今っぽいというのはなんとなくわかるんですが、コミュニケーションの内容はどうでしょう?
尾:そこも、参加したばかりなのに、非常に積極的にコメントをつけようとしてくれている感じがありました。見てると現状のコミュニティってだいたい数名の方がコメントされていて、なんとなく入りづらい感じがするのかなという心配もあるんですが、その方は特に意識することもなくたくさんコメントをしてくださっていたので、新しくいろいろ動かしていってくださるのかなという感じがしています。
阿:なるほどありがとうございます!これからもユーザーさんのお料理発信を通じて、一緒に食卓を盛り上げていけると嬉しいです!