情報環境の劇的変化により、一方通行の広告や販促メッセージが生活者に届きにくくなり、これまでのようにモノを売るのが難しくなった昨今、新たな一手として「ファンマーケティング」に今、注目が集まっています。
SnapDishでは、ヤマサ醤油のヒットメーカー、藤村氏と、そのマーケティングパートナーであるワールド・カフェ、笠原氏をお招きし、「食品・調味料における、他社製品に代替されずに『愛される』ネットマーケティングの仕掛け方」と題したセミナーを開催しました。SnapDishと共に生み出してきたヤマサ流ファンマーケティングを実例をもとに解説します。
■登壇者紹介
・ヤマサ醤油株式会社 藤村 功 氏
1983年にヤマサ醤油(株)入社し家庭用営業を担当。91年~2006年まで商品開発室、~2007年MD推進室(11年より家庭用MD推進室)を担当。商品開発室時代は、「ごまだれ専科」「昆布つゆ」「昆布ぽん酢」等の開発のほか、「鮮度の一滴」は店頭までを手掛けた。現在はマーケティング部長、家庭用MD推進室長として、店頭とマスメディア、ソーシャルメディアを重ね合わせるコミュニケーションに傾注。
・株式会社ワールド・カフェ 笠原 造 氏
2008年に株式会社ワールド・カフェを設立。生活者と企業の対話によるイノベーションをテーマに、ハンズオン型のマーケティング・パートナーとして、新規事業、ブランド、商品開発、プロモーション等のプロジェクトに参画。
・ヴァズ株式会社 事業開発マネージャー 阿部
2012年末にヴァズに参加。以降、SnapDishを軸に、食品・飲料メーカー様のクチコミ構築を支援。これまでにのべ10億人超にクチコミでリーチする企画を実施。
「ヤマサ流ネットマーケティング」の仕掛人が初めて語る、 食品におけるファンマーケティングで大切なこと
レビットのマーケティング論に学ぶ、生活者のニーズとは
コーポレートサイトではレシピをメインに、レシピサイトではレシピのコンテンツメディアでありながら、ユーザー参加型のコミュニティサイトになっている。スペシャルコンテンツではターゲットインサイト・ニーズからレシピテーマをコンテンツ化。商品を前面にではなく、どんな食シーンを提案するかを重要視している。コーポレートメディア以外でもSNSで情報発信
事例:ヤマサ醤油とSnapDishのファンマーケティング
10年前の「鮮度の一滴」から共同施策を開始。SnapDishのサービス創業時から、一緒にサービス開発をしていた。
・公式アカウントを運用し、商品と料理のアップ。レシピサイトに掲載しているレシピをSnapDishに投稿すると、コミュニティになってつながっているので、ユーザーからコメントやつくフォトがもらえたり、どんどん広がっていく。その反応はHPのレシピにAPIで表示、そこにまたコミュニティサイトのメンバーからのコメントがついたり。ここは丁寧にやっているとことでメーカーからもコメントを返す。ユーザー同士、ユーザーとメーカーとでレシピを介したコミュニケーションが発生し、広がっていく。SnapDishのマイ料理ランキングが毎週メール送られてくるが、ヤマサさんとも共有している。これがまさにレビットの「本当の目的」がわかるインサイト。ランキングでは「まさにみんなどんな料理に興味があるのか」がわかる。SDはその時作ってみたいレシピ、インスタは映えるレシピ、Twitterではバズるレシピのように、媒体で人気料理が異なる。
商品に関する施策では、商品を使った投稿キャンペーンを行って料理投稿を集め、商品HPには商品情報、ヤマサの公式レシピ、SDユーザーの料理投稿が並んでいる。投稿を動画にしてSNSで配信。投稿のまとめやアンケート結果をまとめた記事をSDで作成して、ヤマサのHPでも紹介、ぐるぐる回している。年間で祭事と連動した投稿CPをやっていて、自社だけでは集められない数の投稿を集めている。ユーザーさんの中から、毎回CP参加してくれている人にヤマサレシピ料理家になってもらった。「コンテストは人生のスパイスのようなもの。参加する面白さ楽しさを」アンバサダープログラムでは、それまで築いてきたファンの方に集まってもらい、長期のイベントで交流と愛着を育成、アンバサダーに任命。